妊娠、出産、授乳の経験数と乳がん発症の関係


「妊娠、出産、授乳の経験数が少なかったり、その時期が遅い人ほど乳がんにかかる可能性は高くなる」

と聞くと、どう思われますか???

これは女性ホルモンが一生のうちでどう働くか?によって関係してくる話しです。

乳がんにかかりやすい人とそうでない人の違いは、

生活習慣

医療面

食習慣など

細かく項目別としてもし分けるなら、

10項目以上ありますが、

今回はタイトルに挙げた、

「妊娠、出産、授乳の経験数」との関係性についてクローズアップしてみます。

【まずは、ホルモン基礎知識】

女性には二大ホルモンと言われる、

エストロゲン

プロゲステロン

があります。

エストロゲンは、

1、エストロン(高値になると乳がんに関与。閉経後に主に働くホルモン)

2、エストラジオール(強力なエストロゲン作用で、閉経前に主に働くホルモン)

3、エストリオール(乳がんに対する抗ガン作用をもつホルモン)

この3つのホルモンを総称してエストロゲンと言われるホルモンのことです。

図にあるのは、28日周期の場合の2大ホルモンのバランスで、正常な働きのバランスイメージの図になります。

通常は黄体期である生理開始の約7日~10日前くらいの時期に、通常であればプロゲステロンホルモンが優位になるのですが、

ホルモンバランスが悪い人は、この時期にエストロゲン(図のグラフで言う青のライン)が優勢に働きすぎたり、またはプロゲステロン(図のグラフで言うオレンジ色のライン)が少なすぎたりのアンバランスから、生理前症候群(PMS)が起こりやすく、自律神経バランスも悪くなったり、低体温や冷えが起こりやすくなります。


生理前症候群を放っておくと、若年性更年期、更年期症状もつらくなってくる傾向があります。


ちなみに、エストロゲンの役目としては、

思春期に子宮や卵管の成長、変化を起こさせたり、

乳管、脂肪などの発達を通じて乳房を大きくしたり、

膨らみをもたらしたり、

脂肪の配分、骨の成長にも関係してます。

また、成熟した女性には肌の柔らかさを助けたり、

膣(ちつ)の潤滑(じゅんかつ)を助けたり、

骨密度を保ち、脳の機能に重要な役割を果たしています。

それから、女性の生理サイクルを維持し、妊娠や出産にも欠かせません。

しかし、「エストロゲンが過剰に多すぎてプロゲステロンが欠乏という状態になっている期間が長かったり多かったりすればするほど、エストロゲンは体に有害に働いてしまいガン細胞を増やしやすい」という事になります。

プロゲステロンはエストロゲンの働きにバランスを取らせたり、

その働きを減らしたりする役目をしています。

エストロゲンには窓があります。

女性の血液循環中にエストロゲンの流れる量が多くなっている期間は初潮から閉経までの期間で、

生涯のうちのおよそ40年。この期間は【エストロゲンの窓が開いている状態】です。

この意味する所は、「思春期を迎えた女性の卵巣が初めてエストロゲンを作り出した時からこの窓は開かれ、

更年期で閉経を迎え卵巣のエストロゲン生産量がぐっと減った時に同じ窓は閉じられる」ということ。

この窓が開いている間に【授乳】すると、その期間だけは一時的に窓が閉じることになっています。

それは【授乳期間中】には卵巣がエストロゲンを作らないからです。

赤ちゃんが乳首に吸い付くと、母親の視床下部に向けて、ある信号が発信されます。

すると、エストロゲン、プロゲステロンなどのホルモンが放出されるのを抑えれるようになりますから、。

それで授乳中は生理出血が一時中断し、授乳を終えた後の数カ月の間その状態が続くというワケです。

たいていの場合、エストロゲンの窓は1年かそれより少し長いくらい閉じています。

逆にこどもを母乳で育てない女性は出産後すぐに排卵が始まります。

「授乳行為は、それまで乳房内に蓄積していた発ガン性物質や体脂肪濃度を減らす」という事が研究で分かっています。

ちなみに、授乳行為の利点は他に7項目ありまして、一番最後に記述します。


●乳がんに関して、妊娠が有利に働く3つの理由

①未成熟な乳房組織は、臨月(出産間近の時期)に至り完全に成熟した乳房組織よりも、エストロゲンの刺激に非常に敏感です。

つまり、子供を産むこと自体が閉経前に乳がんを発症するリスクが少なくなると言われます。

②妊娠中から出産までの間、「エストロゲンの窓」が閉じます。

妊娠期間の初期だけは、エストロゲンの量が急上昇しますが、その後、エストロゲン値は急激に減少し、代わりにプロゲステロン値が増えてきます。

※プロゲステロン値が高くなれば、乳房組織の成熟が進み、より安定してくるので、出産後の母乳生産に備えて準備することができます。

成熟した乳房組織は、激しく細胞分裂をしないので、発ガン性物質の影響を受けにくいのです。

③妊娠中と、出産後数カ月の間、母乳に含まれるエストロゲンの量は普段よりも少なくなります。

子どもを産んだことのない女性は、排卵周期が中断することがなく、乳房はより多くのエストロゲンの刺激を受けることになります。

このように、

【エストロゲンにさらされる時期がより長いこと】や、

【エストロゲンによって乳房組織の分裂回数がより多くなること】は、乳房組織が発ガン性物質から影響を受けやすいのです。

初潮が早くて閉経が遅い人は一生の期間で月経の回数が多い、つまり、エストロゲン増加の機会にさらされることが多い。

こういう人が乳がんにかかりやすいと言われています。

一度も出産したことが無い女性は、30歳前に出産を経験している女性に比べて、乳がん発症リスクが高いです。

子どもの出産経験が無いことや、

初産が遅かったことなどから、一生のうちに多くのエストロゲンを受けた女性達は、

マンモグラフィーの放射線によるがん発症に敏感である。また放射線が、

エストロゲンの発ガン性を高めることが研究で確認されています。

冒頭にあげたように、

乳がんにかかりやすくなる原因というのはこの他にも10項目以上挙げられます。


そして、この妊娠、出産、授乳の経験回数というのは一つの原因ではありますが主な理由ではありません。

そして、

何を主に食べるべきか?

何を避けて食生活をするのか?

どんな生活習慣を送る必要があるのか?

医療面で避けることは何なのか?

予防できる方法がありますからそれを実践すれば良いでしょう。

続きは、またいつの日かのブログで記述できるかもしれません。

セミナーでも詳しくお話ししています。

冒頭で挙げた、【母乳育児のメリット7項目】の前に宣伝させてくださいね。

今回で6回目になります。↓

セミナーの案内

8/21(日)12時~ 乳がんの裏側と真実~知っておくべき女性ホルモンのこと


9月2日金曜、9月3日土曜 時間、場所、近日公開

facebookページ

セミナー【食習慣&体質改善】【栄養学】【断食】【予防医学】

【お母さんが知っておくべき授乳のメリット7項目】

①授乳に伴うオキシトシンの分泌が、出産後の母体の回復を促進してくれます。

このオキシトシンはホルモンで、授乳中に脳の下垂体から出ます。そのことによって母性本能にもスイッチが入り、こどもが可愛く感じます。そして、オキシトシンは血液からお乳として赤ちゃんが飲む事で、赤ちゃんもお母さんを大好きになります。

1995年にこの研究でヴィンセント・デュ・ヴィニョーはノーベル賞をとっています。今なぜオキシトシンが注目されているのかというと、幼児虐待が社会問題になっているからです。


大阪府が児童虐待相談件数、全国でナンバーワンだそうですよ。(;´・ω・)

その次に神奈川。そして東京。

そして、

テレビやスマホ等に集中して母乳を与えても、オキシトシンは出ないことが分かっています。

子どもの表情やしぐさを見ながら与えると良いようです。

オキシトシンには、母体の子宮や乳腺を元に戻す役割以外にも、関節リウマチの発症リスクを下げるなど、母体を守ることに繋がるため大切です。

②授乳時のスキンシップが母子の精神的、情緒的安定と絆をもたらします。

③衛生的で安全かつ適温で授乳できる。

※ダイオキシン、PCB、ノニフェノール(合成洗剤に含まれる)、内分泌攪乱物質(ビスフェノールA)などの化学物質だけではなく、トランス脂肪酸など食品から取り込まれる有害物質は全て母乳に反映されますから、妊娠~授乳期の食事は大切です。

できることなら、妊娠する前にファスティングなどでデトックスをすることです。


④初乳に含まれる免疫体が細菌やウィルスなどによる感染症を予防する。

⑤乳児の成長にとって、最も適した成分組成であり、消化吸収、栄養効率が優れている。

⑥細菌を殺す白血球、消化を助ける酵素や免疫物質なども含んでいて、食物アレルギーや喘息など、あらゆるアレルギーの発症リスクを低下させる。

⑦母乳に含まれるオメガ3のドコサヘキサエン酸(DHA)が知能の発育を促進するため、IQが高まる可能性が期待される。


いかがでしたか?

分子整合医学を学んだ私からの、今回の記事。

大切なあの人へ、シェアしてくださいね。

参考書籍

マドケンブログ

Share The Community代表 /間所 謙治 未来のこどもたちのためにを理念に食育、栄養学、断食(ファスティング)、予防医学関連セミナー、講師活動。 大豆ミートの広島風お好み焼き~イベント出店、 大阪中心に精力的に活動中 現在はアメブロにて詳細更新中→http://profile.ameba.jp/madrumn/

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